
飲食店の経営では、毎日の営業を回すことが最優先になりやすく、売上を振り返る時間がなかなか取れないことも少なくありません。
特に小規模店舗では、接客、調理、会計、仕込み、片付けまで限られた人数で対応しているため、数字の確認や分析は後回しになりがちです。
しかし、忙しいお店だからこそ、日々の売上データを整理して見直すことには大きな意味があります。
売上分析を行うことで、お店の現状、売れている商品、来店しているお客様の傾向、そして改善につながるヒントが見えやすくなります。
お店の相棒では、小規模店舗でも活用しやすいように、売上分析を次の4つの視点で整理しています。
- 全体分析
- 商品分析
- 顧客分析
- クロス分析
まずはお店全体の状態を把握し、その後に商品、顧客、複数軸の掛け合わせへと進んでいくことで、無理なく段階的に分析を深められる構成です。
1. 全体分析
全体分析の意義
全体分析は、お店全体の売上状況や営業傾向を把握するための基本となる分析です。
まず最初に見るべき土台の分析であり、「今、お店がどんな状態なのか」を知る入口になります。
売上が増えているのか減っているのか、どの曜日が強いのか、どの時間帯にお客様が集中しているのか、客単価は上がっているのか下がっているのか。
こうした基本的な流れを把握することで、お店全体の特徴や課題が見えやすくなります。
全体分析の特徴
全体分析は、お店全体の売上や営業の傾向を広く把握するための分析です。
まずは全体の流れを確認することで、その後の分析の方向性をつかみやすくなります。
各分析のポイント
- 時系列分析(日別・週別・月別・年別)
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売上の推移を時間の流れで確認し、増減や傾向を把握します。
- 曜日別分析
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曜日ごとの売上や客数の違いを確認し、営業の特徴を把握します。
- 時間帯別分析
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時間帯ごとの来店や売上の傾向を確認します。
- 客単価分析
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お客様1人あたりの平均利用金額の変化を把握します。
- 回転率分析(全体・座席別)
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席の利用効率や店舗運営の効率を確認します。
- 滞在時間 × 売上分析
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滞在時間と売上の関係から営業スタイルの特徴を把握します。
2. 商品分析
商品分析の意義
商品分析は、「何が売上をつくっているのか」を知るための分析です。
お店の売上は、日々提供している商品の積み重ねで成り立っています。
そのため、どの商品が売れているのか、どの商品があまり出ていないのかを把握することは、売上改善の第一歩になります。
商品分析の特徴
商品分析は、どの商品が売上を支えているかを把握するための分析です。
売れ筋商品や課題のある商品を整理することで、メニュー改善や販促につなげやすくなります。
各分析のポイント
- ABC分析
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売上構成比から、重要な商品を把握します。
- 商品別売上分析
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商品ごとの売上や販売数を確認します。
- 売れ筋・死に筋分析
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よく売れている商品と、見直しが必要な商品を整理します。
3. 顧客分析
顧客分析の意義
顧客分析は、どのようなお客様が来店しているのか、どのくらいリピートしているのかを把握するための分析です。
売上だけを見ていると、お店に来てくださっているお客様の特徴や変化は見えにくいことがあります。
顧客分析を行うことで、常連のお客様、最近来店が少ないお客様、今後大切にしたいお客様などを、より具体的に把握しやすくなります。
顧客分析の特徴
顧客分析は、お客様の来店傾向や利用状況を把握するための分析です。
リピート促進や販促の方向性を考える上で重要な視点になります。
各分析のポイント
- RFM分析
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来店頻度や利用金額から顧客の特徴を分類します。
- デシル分析
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売上への貢献度に応じて顧客をグループ分けします。
- 来店回数分析
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来店頻度から顧客の定着状況を把握します。
- リピート分析
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再来店の傾向を確認します
4. クロス分析
クロス分析の意義
クロス分析は、複数の軸を掛け合わせて、より具体的に課題や特徴を深掘りする分析です。
全体分析、商品分析、顧客分析で見えてきた内容を、さらに細かく組み合わせて見ることで、より実践的な改善のヒントが見つかります。
クロス分析の特徴
クロス分析は、複数の軸を掛け合わせて、より具体的な傾向や課題を見つける分析です。
単体の分析では見えにくい特徴を深掘りすることができます。
各分析のポイント
- 曜日 × 時間帯
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曜日ごとの時間帯の違いを確認します。
- 時間帯 × 商品
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時間帯ごとの売れ筋商品を把握します。
- 顧客 × 商品
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顧客ごとの購買傾向を確認します。
- 滞在時間 × 売上
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滞在時間と売上の関係を把握します。
まとめ
売上分析は、単に数字を並べて見るためのものではありません。
お店の現状を把握し、課題を見つけ、次の改善につなげるための考え方です。
お店の相棒では、まず全体分析でお店の現状をつかみ、そこから商品分析、顧客分析、クロス分析へと進むことで、小規模店舗でも無理なく分析を深められるように整理しています。
なんとなく経営するのではなく、数字をもとに判断し、少しずつ改善していく。
その積み重ねが、お店に合った無理のない成長につながっていきます。
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